[アップデート] RDS for Oracleのメモリ最適化クラス(R5インスタンス)に追加メモリ設定ができる様になりました
しばたです。
本日からRDS for Oracleのメモリ最適化クラス(R5インスタンス)において使用するメモリサイズを倍増させる設定が追加されました。
AWSからのアナウンスは以下となります。
どういうこと?
ドキュメント上は"追加メモリ設定"と表現されていますが、実装としてはR5世代に新しいインスタンスタイプが追加される形となっています。
「 <ベースのインスタンスタイプ>.tpc(n).mem(m)x [1]」といった形の新しいインスタンスタイプが増えており、例えば従来からあるdb.r5.large (2vCPU, 16GiBメモリ)
タイプに対しdb.r5.large.tpc1.mem2x (2vCPU, 32GiBメモリ)
とメモリが2倍のクラスが増えています。
インスタンスタイプによって倍増可能なメモリ量に差はありますが、db.r5.2xlarge (8vCPU, 64GiBメモリ)
タイプだとdb.r5.2xlarge.tpc2.mem8x (8vCPU, 512GiBメモリ)
と最大8倍まで倍増できます。
各インスタンスの詳細はインスタンスタイプのページに記載されていますのでそちらでご確認ください。
(現時点ではまだ日本語情報は更新されていません。英語ページをご確認ください)
対象リージョン
この更新を利用できるのは以下のリージョンとなります。
- North America
- US East (N. Virginia), US East (Ohio), US West (N. California), US West (Oregon), AWS GovCloud (US East), AWS GovCloud (USWest), Canada (Central)
- South America
- South America (Sao Paulo)
- Europe, Middle East and Africa
- EU (Frankfurt), EU (Ireland), EU (London), EU (Milan), EU (Paris), EU (Stockholm), Middle East (Bahrain), Africa (Cape Town)
- Asia Pacific
- Asia Pacific (Hong Kong), Asia Pacific (Mumbai), Asia Pacific (Osaka), Asia Pacific (Seoul), Asia Pacific (Singapore), Asia Pacific (Sydney), Asia Pacific (Tokyo)
東京、大阪も既に入っていますし対象リージョンは随時増えていくことでしょう。
利用料金
利用料金については以下のページでご確認ください。
基本的に「メモリを倍増させると料金も倍になる (2021年6月時点)」と考えておけばOKです。
その他利用条件
前節の利用料金を確認すると分かるのですが、この設定を利用できるのは「自分のライセンス使用(BYOL)」の場合のみです。
ライセンス料込みの場合は対象となるインスタンスタイプを選ぶことができません。
BYOLであればEnterprise Edition、Standard Edition Twoのどちらも選択可能です。
この点は非常に残念ですが現状はBYOL前提の大規模顧客をターゲットとしているのでしょう。
将来的にライセンス料込みの場合でも使える様になってくれると嬉しいですね。
やってみるには
BYOL前提なのでこの設定を実際に試してみることはできないのですが、マネジメントコンソールの設定画面を確認するところまでやってみます。
マネジメントコンソールからRDS for Oracleの作成を選び、ライセンスを「bring-your-own-license」にします。
そして、インスタンスサイズの指定欄に「Include addtional memory configrations」というチェックボックスが増えていますので、これにチェックを付けた状態で「メモリ最適化クラス」からインスタンスタイプを選択するとメモリ倍増のインスタンスタイプを指定可能になります。
(上図ではdb.r5.large.tpc1.mem2x
を選択)
あとは通常のRDS for Oracleと同様の手順で大丈夫なはずです。
最後に
以上となります。
ちょっとターゲットは絞られていますが「とにかく大量のメモリが必要」というユースケースは確実にあります。
今回の更新がそういった方の役に立つと嬉しいですね。
(n),(m)は倍増するメモリサイズに応じた値 ↩︎